向島の花街にある「料亭きよし」の女将、小林綾子さんのおすすめ映画はコレ! Vol.1
こんにちは~! 毎日寒いですね! 錦糸町で映画祭を開催することを夢見る、ラッコ星からやってきた楽天地を勝手に応援キャラ、ラッコ天使です。
今回、映画のお話をしてくれるのは、向島の花街にある「料亭きよし」の三代目女将、小林綾子さん。
料亭を簡単に説明すると、芸妓さんの芸を楽しみながら、和食を中心としたお料理を味わう高級飲食店のこと。
今では企業のトップはネットで情報交換をすることもあるけど、昔は料亭も情報交換の重要な場だったんだって。
そうそう、向島のあたりは平安時代のイケメン、在原業平が詠んだ歌から名前をとったとされる言問橋や、江戸時代から住民に愛される三囲神社、日本が誇る天才絵師、葛飾北斎が利用していたという長命寺桜もち 山本やがあります。
ちょっと北へ歩けば、永井荷風の『墨東綺譚』の舞台に。
そんな歴史を感じさせる、文化的なエリア、向島は、昭和40年代初期には約100軒を超える料亭や貸座敷の待合があったんだよ。今はどれぐらいあるんだろうね?
待ち合わせの時間にやってきたのは……。
「ごめんねー。今忙しくて、ちょっと遅れちゃいました!」
と現れたのは、イチョウ柄がまぶしい着物姿の女将、小林綾子さん。
女将!と呼ばせていただきますね!
ところで、何でそんなに忙しいの?
「11月11日金曜日に開催される、『第七回 向島をどり』の準備で忙しくて!
https://mukoujima-kenban.com/
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、10年ぶりの開催なので、みんな張り切っている分、まとめるのが大変(笑)」
都内には花街が9カ所あって、なかでも新橋、赤坂、神楽坂、芳町、浅草、向島の6カ所を六花街と呼ばれているんだって。その中でも向島の規模は最大。それでも、現在向島花街の料亭等は10軒ほどなんだって。
そんな向島の芸妓さんたちが、これまで練習、鍛錬してきた芸を披露するのが『第七回向嶋をどり』。
芸妓さんたちの晴れ舞台なんだね。
そんな忙しい綾子女将。映画ってよく観るの?
「実は、そんなに頻繁には観てないの。
ただ、いつも向島にいるでしょ。全然違う世界への憧れというのは強くあって。
そのせいか『ラッチョ・ドローム』というフランス映画が大好きです。
流浪の民、ロマ(ジプシー)の歴史を、音楽とダンスのみで描いた映画で、多くの場所の音楽やダンスに影響を与えてきた彼らの歴史をつづっています。
音楽が素晴らしい! 彼らのたくましさ、生きるとはなにか、いろいろ考えさせられる映画です。」
映画が好きなラコ天ですが、初めて聞いた映画です。
綾子女将は、あまり大作は観ないタイプなの?
「そんなことないない。『007』シリーズとか『スパイダーマン』シリーズ、観ますよ。
約2時間、なーんにも考えずに観られるものが好き。
身近なことがテーマだったり、泣ける映画はあまり観ない。
邦画だと、『キネマの神様』よかったぁ。
沢田研二さん、大好きなんです! 永遠のアイドルです。それに、先に原作を読んでいたので、いっそう気になる映画でした。
それから……。」
そんなに観ない、とおっしゃったわりには、綾子女将も映画の話が止まらないタイプ!
さあ、今回は何を観よう?
来週は、TOHOシネマズ錦糸町楽天地で観た映画のお話です。
小林綾子さん
東京六花街のなかで最も数を誇る向島で、創業70余年の老舗料亭、「料亭きよし」の三代目女将。学生時代は考古学を学び、トルコで発掘作業に没頭。世界を旅した経験をべースに、お座敷で飲み放題ビアホールや、クラシックとお座敷芸のコラボライブ等、料亭に新たな風を起している。
料亭きよし
〒131-0033 東京都墨田区向島5-35-3
TEL:03-3622-0224
https://ryoutei-kiyoshi.com/
ラッコ天使
出身地:ラッコ星
趣味:映画鑑賞、おいしいものを食べること、お得なものを見つけること。
将来の夢:錦糸町で映画祭を開くこと。